狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】


その瞳には明らかな敵意がうかがえる。


「お前には関係ないだろ。つーか、お前誰だよ」


「そっちが名乗る気ないならこっちだって名乗りたくないし」


「ハァ?ふざけんじゃねぇよ」


ピクッと星哉の眉が持ち上がったのに気付いて、あたしは二人の間に割り込んだ。



「ヒロちゃん、やめてよ」


このまま放っておけば、ほぼ間違いなく喧嘩になる。


あたしはそっと小声でヒロちゃんを制止した。


「……――さっきの幼なじみのヒロちゃんってこいつか」


「あっ……――」


ここへやってきた目的をふと思い出して、思わずうろたえる。