そう気付いた途端に心臓がドクンドクンッと嫌な音を立てて鳴り出す。
苦しくて、切なくて、悲しくて。
言葉に表せないような感情が全身に押し寄せて、胸が痛いくらいに締め付けられる。
今すぐに駆け寄って、
『星哉、瑞穂ちゃんとはどういう関係なの?』そう聞けばいい。
聞いてしまえば、こんなにもモヤモヤとした気持ちを抱えずに済む。
だけど、どうしてかな……?
どうしてこんなに簡単なことができないんだろう。
どうして、こんなにも不安に押しつぶされそうになるんだろう……。
一体、どうして……――。
どうしてここから一歩も動くことができないんだろう。
「……――桃華!!ようやく見つけた」
突然、腕を掴まれて顔を上げると、ハァハァと息を切らしたヒロちゃんがいた。



