助けを求めようと隣にいるヒロちゃんに目を向けると、ヒロちゃんは何故か満足そうに微笑んだ。 「ヒロ……ちゃん?」 「勝手に誤解させとけばいいだろ」 「だけど……」 「ほら、寒いし早く帰ろうぜ」 ヒロちゃんはそう言うと、そっとこちらに手を差し出す。 『桃華、早く行こう』 幼稚園の時、ヒロちゃんはみんなからすぐに遅れてしまうのろまなあたしにそっと手を差し伸べてくれた。 口数は多くないけど、ヒロちゃんはいつだって優しい。 だけど、今はあの時のように手を取ることはできない。