『……あの手袋、幼なじみにもらったから大切にしてたんだな?』


『そう!!去年愁太がくれたプレゼントなの』


何故かそう言った後、星哉はしばらく黙り込んだ。


そして、その後口を開くとほんの少しだけ不機嫌そうな声に変わった。



『つーか、今、どこにいるんだよ。風の音すげぇし。外か?』


『えっと……外は外なんだけど……――』


2日間の短期のバイトを始めたことを星哉には話していなかった。


この時期に短期のバイトをするなんて、クリスマスプレゼントのためってバレちゃうから。


どうせなら、当日にプレゼントを渡してビックリさせたい。


『外だけど、なんだよ。誰かといんのか?』


『あっ、うん!!ヒロちゃんといるよ!!』


『ヒロちゃんって誰だよ』


『幼なじみのヒロちゃん!!偶然久しぶりに会って話が盛り上がっちゃったんだ!!今度、星哉にも会わせるね』


『ダチといんのに悪かったな。女二人であんま遅くまでふらついてんなよ。もう帰れよ?』


えっ?女二人?


もしかして、ヒロちゃんのことを女の子だって思ってる?