「まさかまたヒロちゃんと会える日が来るなんて。しかも、バイト先でなんて奇跡的だね」


近くのファミレスにやってきたあたしとヒロちゃん。


10年ぶりのブランクを感じられないくらい普通に会話できているのがちょっぴり不思議だ。


昔のヒロちゃんはどこか無口で何を考えているのか分からない男の子だったから。


そんなヒロちゃんが引っ越しの当日、あたしに向かってこう言った。


『桃華、俺と結婚してくれる?』って。


だから、あたしは『うん!!』って大きく頷いたんだ。


ヒロちゃんに結婚しようって言われたことがただただ嬉しかった。