店にはまだ明かりが点いていた。


よかった……。


ホッと胸をなでおろしながら店の正面にやってきたとき、ブルルルル~というバイクのエンジン音が耳に届いた。


それと同時にバイクのヘッドライトが近づいてくる。


「星哉……?」


出前に出ていた星哉がタイミングよく店に戻ってきたのかも。


そんな期待を抱きながらバイクを目で追う。


だけど、あたしの存在に気付かないバイクはそのまま店の裏手に止まった。