「……――鈍感な桃華に気づかれてたなんてな」
少し考えたあと、愁太は諦めたように笑った。
「やっぱり?あたし、二人がうまくいったらすっごく嬉しい!!愁太、頑張りなよ~!!」
「だな。いい加減、気持ち伝えるかな……」
「そうだよ!!そうしなよ!!」
何だか自分のことのようにワクワクする。
愁太と恋の話をすることなんて、今まで一度だってなかったからすごく新鮮。
「そうだ。今日いつものラーメン屋、餃子が半額らしいぞ」
「え~!そうなの?でも、今日はお金あんまりもってきてないや……」
「今日は特別におごってやるよ」
「本当に?やった~!!」
あたしは軽い足取りで行きつけのラーメン屋さんに向かった。



