「やっぱり俺帰った方がいいな。俺がいると気が散って眠れねぇだろ?」 「えぇ!?星哉……帰っちゃうの……?」 「本当はお前が寝るまで待ってようと思ってたけど、俺がもう限界」 「そ、そんなぁ……」 だけど、星哉が限界だという気持ちもわかる。 だって、テレビも音楽も何もない部屋で、フローリングの上にあぐらをかいてあたしの手を握りしめているだけだから。 しばらく同じ体勢でいるし、疲れもたまったはず。 あたしはベッドで横になっているからいいけど、星哉はしんどかったよね……?