狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】


「桃華」


「な、なに?」


低くかすれた声で名前を呼ばれて、なんだかくすぐったい気持ちになる。


「顔赤い」


「そ、そうかな?」


空いている方の手で頬に触れると確かに熱を帯びていて。


あたし、単純すぎ。


自分自身にちょっぴり呆れながら苦笑いを浮かべると、星哉がピタリとその場に立ち止った。