「桃華」 「な、なに?」 低くかすれた声で名前を呼ばれて、なんだかくすぐったい気持ちになる。 「顔赤い」 「そ、そうかな?」 空いている方の手で頬に触れると確かに熱を帯びていて。 あたし、単純すぎ。 自分自身にちょっぴり呆れながら苦笑いを浮かべると、星哉がピタリとその場に立ち止った。