狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】


「……――か」


もう何年も会ってないし、どうせあたしのことなんて覚えてるわけもない。


それに、あの約束だって……――。


「……――桃華」


「ん?」


今、桃華って……――。


「何ぼーっとしてんだよ」


「あっ!!ご、ごめん!!ちょっと考え事」


星哉と一緒にいるのに他のことに気を取られるなんて最悪だ。


星哉は「ハァ」と呆れたように息を吐くと、そっと右手を差し出した。