「熊井桃華」 すると、狼谷君は口から白い煙を吐き出しながらハッキリとあたしの名前を言った。 「今……なんて?」 「熊井桃華だろ。お前の名前」 「えっ、えっ、どうして知ってるの?」 「お前の名前くらい知ってるに決まってんだろ」 嘘。まさかあたしの名前を知っていたなんて……――!! やだ、どうしよう!!超嬉しい!!!! 少し前までの重たい気持ちが嘘みたい。 狼谷君の一言でパァッとあたりが明るくなった。