微妙な空気が辺りに漂う。 あたしは狼谷君の香水の匂いがするジャージをギュッと抱きしめた。 「ありがとう。だけど、狼谷君は……球技大会でないの?」 「でない」 「そっか……。終わるまで教室にいるの?」 「いや、帰る」 何とか会話を繋げたい。 そうすれば、もう少しだけ狼谷君と一緒にいられるから。