「あたし……――狼谷君のことが……――」 「……――わりぃ」 「へっ?」 勢いに任せて『好き』と口走ってしまいそうになった時、狼谷君が謝った。 「俺がお前の初めてになって悪かったな」 そんなことない。 そんなこと言わないで。 あたし……嫌じゃなかった。 狼谷君にキスされて全然嫌じゃなかったの。 だから……謝らないで……? そんな気持ちを口にすることもできずに黙り込むあたし。 すると、狼谷君はロッカーの中から取り出したジャージをあたしにそっと手渡した。