「俺が優しい?お前、俺のどこを見てそんなこと言ってんだよ」
呆れたように苦笑いを浮かべる狼谷君。
あたしは彼の鋭い瞳を真っ直ぐ見つめながら答える。
「言葉ではうまく言えないけど……狼谷君は優しくて温かいの」
「意味がわかんねぇよ」
「ほら、この手もすっごく温かいでしょ?」
狼谷君の手をそっと掴んでギュッと握ると、狼谷君の体温があたしの手に伝わってくる。
うん。やっぱり、思った通り温かい。
「ぽっかぽかだね」
ニコッと笑ってそう言った瞬間、
「……――?」
目に映るすべてのものがスローモーションになった。



