狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】


「ご、ごめんなさい!!あたしが狼谷君にジャージを借りようとしたばかりにこんなことになっちゃって……」


「は?」


「狼谷君がジャージを貸してくれるって言うから何だか嬉しくて……。あっ、違うかな。本当はこんなに朝早く狼谷君に会えるのが嬉しくて。だってほら、狼谷君っていつも遅刻ばっかりでしょ?」


パニックになりながら必死にそう言い訳してみたけど、よく考えると何かがおかしい。


って、あたし何口走ってるの!!


あたしがジャージを忘れたせいで、先生にタバコが見つかりそうになっちゃってごめんね!!


そう言えばよかったのに。



それなのにあたし、狼谷君に会えるのが嬉しいって……言っちゃった?


しかも……それを本人の前で。


しかもしかも、今、相当怒っているに違いない人の前で。