狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】

その途端、張りつめていた緊張の糸が解けて体中の力が抜けた。


こんな緊張を味わったのは初めてかもしれない。


狼谷君と一緒にいる時間はすごくスリリングだ。


「……――お前、ふざけんな」


すると、耳元で狼谷君の低くてどすの利いた声が響いた。


「え?」


いまだに抱きしめられた体勢だから狼谷君がどんな顔をしているのかは分からない。


だけど、その声からどんな表情をしているのかは容易に想像がついた。


狼谷君はこれ以上ないほど怒っているに違いない。