「……――熊井、どうした?お前、顔が真っ青だぞ?」 「そ、そ、そ、そうですか!?」 声が裏返って目を泳がせるあたしは誰がどう見ても怪しいに決まっている。 焦りで体中から嫌な汗が噴き出る。 その時、タバコを握っていた手をグイッと引っ張られた。 「……――!?」 驚いて振り返ると、狼谷君があたしの手のひらを掴んで強引にタバコを奪おうとしていた。 「ちょっ……ダメ……――」 グッとタバコを掴む手に力を込めると、狼谷君は眉間にしわを寄せて苛立った表情を浮かべる。