「あ……」 あたしがジャージを忘れたなんて話を聞いていても楽しくなんかないよね……。 狼谷君の背中を目で追いながらちょっぴり残念に思っていると、狼谷君がくるっと振り返った。 「ついてこい。俺のでいいなら貸してやるよ」 えっ……?狼谷君のジャージを……? あまりに急なことに驚きながらも、あたしは狼谷君の後を追いかけた。