「つーか、お前のんきにこんなところにいていいのか?」
「そ、それがね……ジャージを忘れちゃって困ってるところなの。しかも、忘れたことに気が付いたのが遅くて、他のクラスの子達も教室にいなくて……」
「なら、サボればいいだろ」
「だ、ダメ!!体育はいつも成績が悪いの。だから、球技大会くらいは参加しないとなんだ……。でももう絶望的……」
職員室にジャージがあるか聞きに行ってくれた沙希も戻ってこないし、多分、球技大会に出るのは絶望的だろう。
ここは潔く諦めて、狼谷君の言うとおりサボっちゃったほうがいいのかな……。
色々な考えを巡らせていると、狼谷君はすたすたと歩き出した。



