メリッサは料理が得意です。お菓子を作ろうと町に買い物に行きました。
新鮮な卵を吟味していると、店主が声をかけてきました。
『メリッサ！メリッサ！何見てる！？』

「見れば分かるでしょ。新鮮な卵を探してるの！」

『新鮮な卵なんて無いよ！新鮮な卵なら三軒先の家にある！』

「分かったから静かにして。集中してんだから」

『あ！四軒先だ！』

「決めた！コレとコレね。はい、お金」

『まいどあり！』

会話は無茶苦茶ですが、メリッサは慣れているので何も思いません。ただ、面倒くさくて嫌なのです。

帰り途中、警察官に声をかけられました。
『メリッサ、１８時０１分にしてくれないか？』

「それは無理ね」

『何とか１８時０１分には行けるんだが…、駄目か？』

「無理よ、諦めて」

『はぁ、１６時だったら良かったのに』

「じゃあね、さよなら」

もちろん、１８時０１分にも１６時にも何の約束もしていません。これが普通の会話なのです。メリッサは「面倒くさいわ」とため息をつきました。

必ず声をかけてくる人物がもう１人いるからです。
その人物は、メリッサの向かいに住んでいる女性です。女性は２０才くらいの金色が綺麗な髪をした美人です。
ただ、メリッサに興味津々なので面倒くさい存在なのです。