町人の中に「メリッサ」という名前の女の子がいました。
年は12才。赤い髪を緑のリボンで1つに結び、瞳の色も緑、丸顔の可愛い女の子です。とても知的で口達者なとこもあり『赤狂いのメリッサ』と町の人々は愛称をつけ可愛いがっていました。
ただ、メリッサは町の人々、この町全体が大嫌いなのです。町の人とお話しをしても会話が成立しないからです。
ですが、1人だけメリッサのお気に入りの子がいました。
名前はコマデリ、同じ年の男の子です。
髪は黒色でくるくるして、瞳も黒色です。身長は高くメリッサと並ぶと大人と子供に見えてしまうほどです。性格は、おっとりしていて優しいため『黒でくのぼうのコマデリ』と町の人々は愛称をつけ可愛がっています。
2人とも両親はいません。
いるのかも知れませんが、会った事も名前を聞いたこともありません。

2人は物心ついた時には1人で生活をしていました。
2人は1日に1回は必ず会ってお喋りをします。
メリッサが一方的に愚痴を言い、コマデリが笑顔で聞くのです。
なので、メリッサはコマデリだけは好きでした。