「プルメリア、話しがある」


父親はプルメリアに言います。

どれくらいぶりでしょう、父親に話し掛けられたのは。

プルメリアは驚きました。

「な、何ですか…?」


とても、嫌な予感がしたのです。

父親の顔は険しく顔中の筋肉が緊張しているのが分かるからです。

プルメリアは、まともに父親の顔が見れません。


そんなプルメリアに、父親は何の前触れもなく言い放つのです。


「お前を里子に出すことになった。」


プルメリアは、心臓が止まったように感じました。

息をするのも忘れ、ただ父親の顔を見ます。


父親は表情を変えずに続けます。


「女の子を育てるには、母親が必要だ。俺には出来ない。ちょうど、良い家があるんだ。隣町だから、そんなに遠くはないぞ」


あまりの急な展開に、プルメリアはついていけず頭が混乱します。


父親は、そんなプルメリアを無視して話し続けます。


「良い家だぞ。ウチなんかより、ずっと裕福な家だ。子供がいなくて、女の子を希望していてな。プルメリアの話しをしたら喜んで迎えるそうだ。お前のためにもなる。分かってくれるよな?」


プルメリアの呼吸が早くなります。
心臓はバクバクと大きな音をならし、目の前に靄がかかったような感じ、足の力が抜けガクッと膝の力が抜けてしまいます。

床に崩れ落ちたプルメリアは何と言えば良いのか分からず、ただ黙っていることしかできません。

父親は、しつこくプルメリアに言います。


「もう、決まった事だ。分かったな?」


プルメリアに冷たく言い放つのです。