この出来事を機に、人々のプルメリアへの接し方が変わります。


プルメリアを、褒めたたえるようになるのです。


「プルメリアは、本当に良い子供だ」


「あら、プルメリア。可愛らしい洋服ね。とっても似合ってるわよ」


「プルメリアは優しくて良い子だな。うちの子供とも仲良くしてあげてくれよ」

プルメリアは初め、「気持ち悪い。皆、何なの?」と、疑っていました。

しかし、徐々に褒められる事に馴れはじめ素直に喜ぶようになります。

今まで、厄介者扱いされていた自分が受け入れられたのだと思ったのです。


しかし、大人達の本音は違います。


ただ、プルメリアが怖いから。


初めと何も変わっていません。

自分を守るためにプルメリアを褒めるのです。


「プルメリアは死神を呼ぶ子供」


「プルメリアに嫌われたら死ぬ」


「死にたくなければ、プルメリアを褒めろ」


人々は影で、プルメリアを罵り恐れていました。

死神が見えるだけなのに、まるでプルメリアが死神そのもののように思えてならないのです。


プルメリアの父親も、町の人々と同じ考えでした。


「恐ろしい子供だ。こいつのせいで不幸になった。アスターが死ねば、こいつと二人きり…。何という不幸なんだ!」


父親は悩み苦しみます。

プルメリアは、そんな事には気付かず楽しい毎日を過ごしています。

ただ、アスターの事だけは心配でプルメリアの最大の悩みでした。