プルメリアが悩んでいると、アスターは言いました。

「大丈夫だよ。どんな顔になってるか、大体は予想がついてるから」


この言葉にプルメリアは、ハッとします。


「私ったら、アスターを無意識のうちに特別視していたわ。アスターは、私なんかよりずっと心が強い」


プルメリアは、すぐに鏡をアスターに渡しました。

鏡を見たアスターは、少し驚きます。

プルメリアは黙って、アスターを見つめるのです。


しばしの沈黙。


突然、アスターが笑い出しました。

プルメリアは驚きます。

何故、アスターが笑っているのか検討もつかないからです。

アスターは笑いながらプルメリアに言いました。


「プルメリアの言う、死神の顔にそっくりだね」


プルメリアは、言葉が出ません。

なんと言えば良いのか分からないのです。

アスターの顔は、確かに死神に似ています。

プルメリアの大嫌いな死神に。

プルメリアが黙っていると、アスターは言います。


「うん!これはマズイな。こんな顔じゃ、町の人に虐められるよ」


この言葉にプルメリアは、涙が出そうになります。

アスターの気持ちが分かったのです。

プルメリアを傷つけ悩ませないために、空元気を演じていることが…。


プルメリアは自分の弱さを情けなく思いました。

弟であるアスターの方が、ずっとしっかりしていたのです。

「守ってあげる」

プルメリアが言った言葉。
それは、違いました。


「守ってもらっている」


そう、プルメリアはアスターに守ってもらっていたのです。

母親が亡くなり、落ち込んでいたプルメリアの生きる意味としてアスターは存在してくれていた。

プルメリアは強く信じました。