おいでよ、嘘つきさん。

何の断りもなく手を握るなんて、普通なら失礼すぎます。

しかし、アルストロの場合は全く嫌な感じがしないのです。

まるで旧友に久々に出会ったかの如く爽やかな行動に見えてしまいます。


「なるほどね…。確かに、仕事はできる男だわ…」


メリアは思いました。

人間の厭らしさを微塵も感じさせないアルストロの人柄は、良い部下が集まると考えたからです。

つまり、アルストロは人としての魅力のみでのし上がったと言っても過言ではない男だと瞬時に理解したのです。

こういう男は、男も女も放っておけないもの。

要は得をしやすい男なのです。


メリアはアルストロの、そんな所も面白く思いました。


「今までに居ないタイプの男ね。楽しみだわ」


メリアは意味ありげに微笑みアルストロの言います。


「思い出してくれて有り難う。ねぇ、もう一つ思い出してほしい事があるんだけど?」


「え?もう一つ?」


「そう。もう一つよ。どったかって言うと、そっちの方が重要よ」


「メリアは面白いな。次から次へと謎を出してくる。よし、考えるぞ」


子供のようなアルストロ。

メリアも、思わず子供のように笑ってしまいます。