しばらく休み、時計をみると16時を示していました。
「いけない!休み過ぎちゃったわ」
メリッサは、急いでお菓子を作り始めました。
小麦と砂糖と卵、タップリのハチミツを入れて混ぜます。生地を絞りにいれ、熱した油に一つ一つ絞っていきます。甘くて良い香りがしてきます。こんがり茶色に染まったなら、たくさんのシナモンをまぶして出来上がり。

これもコマデリが大好きな、シナモンドーナッツです。冷めたら2つの箱にいれます。箱に入れてもシナモンの良い香りがしてメリッサはお腹がすいてしまいました。
時計を見ると17時40分です。
「良かった、余裕で間に合うわね」
メリッサは支度をして出掛けました。今日は、コマデリと町を出る計画を話すつもりです。


家から出ると向かいの女性が笑顔で手招きしています。
『魔法使いさん!警察官に言ってやったわよ』

「ありがとう。何て言ってた?」

『友との約束だ!って意味の分からない事を言ってたわ』

「そう、分かったわ。あ、これ良かったら食べて」

『あら!可愛い箱ね!でも、野菜は苦手なの』

「お菓子だよ、野菜は入ってないから」

『だって、野菜って草だもの。嫌いだわ』

メリッサは約束の時間もあるので「じゃあね」と言って約束の場所へ向かいました。

約束の場所は好きなのですが、階段だけが面倒です。
メリッサは階段を上り終えるて息があがってしまいます。
コマデリは今日も、メリッサより早く着いていた様で笑顔で座っていました。