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「では、次は新生徒会メンバーから、文化祭についてのお知らせです。」


途端にざわつく体育館内。

私はどくん、と波打つ五月蝿い心臓の音を聞かないようにしながら全校生徒の前に立つ。

「あっ憂!」
「七瀬可愛いっ…!」

男女共に様々な声があがる。

いつもなら嬉しく思うそれも、今この状態だと邪魔以外のなにものでもない。


小さく深呼吸して、私はさっき頭に叩き込んだことを話す。

「ご紹介にあずかりました、七瀬憂です。今年の文化祭についてのお知らせです。」

...あ、やばい次なんだっけ。
極度の緊張で頭が真っ白になって思わず声がでそうになると、ふと結城と視線がぶつかった。

じっ、と見詰めてくるだけのその視線に先程とは違う心臓の高鳴りが聞こえた。
そして、結城の視線に何処か安心を覚えた私の口からは、

「今年の文化祭についてですが..」

と、さっき覚えた内容がすらすらと出ていた。


幸い間が短かったおかげで、上手く間をおいたと思われたらしく、生徒会の先輩たちが笑いながら私をを見ているのを感じた。