「いっぱい泣かせて、傷つけてごめん。冷たいこと言ってこんなに目、腫らすまで泣かせて本当にごめんな」




「・・・っく。なんで、なんで、こんなことするの?」




「俺、槇原さんのことが好きだから。
でも・・・さすがにちょっとここ目立つから場所変えていい?」




えっ?周りにはキャーキャー言ってる女子高生や子連れのママさんが懐かしいわねとか話してる。


あっ、ここクレープ屋さんの前だった。




恥ずかしい。急いで佐藤くんから離れた。でも左手だけは繋がれてる。


彼を見るとあの入試の日、彼に恋をしたあのときの表情と同じだった。




「少しだけ遅くなってもいい?帰り、家まで送るから」




「・・・はい」