「莉央・・・」


「お兄ちゃん」


「・・・」


「決めたの?」


「・・・え」


「私の事、好きにしていいよって言ったでしょ?」


「・・・」


「そのはさみ。なんだか懐かしいね」


「これは・・・」


「お願い、お兄ちゃん」





莉央は俺にすがりつくようにこう言った。


「早くお兄ちゃんの手で私を殺して」



俺はその言葉を聞いた瞬間。

手に持っていたはさみを大きく振り上げた。






「・・・お兄ちゃん」







最後に見た君の顔は

今までで一番幸せそうな笑顔だった。