「あ・・・え・・・っと。俺、帰ります!!!!」
「翔君!?ちょ・・・!!」
そいつを追いかけようとした莉央の手を掴み止めた。
「お兄ちゃん・・・!翔君に何言ったの?」
「何も」
「言ったでしょ?じゃなきゃ翔君が私にバイバイも言わず帰るわけないもん!」
・・・どういう関係なんだよ。
お前らは。
ただのクラスメイトじゃないのか。
「・・・急用ができたんじゃねぇの?」
「そんなこと言ってなかった!」
「あーもう。いいから、帰るぞ」
「ヤダ!!」
「はぁ?」
「離して!」
「いや、莉央・・・落ち着けよ」
「・・・っ!!」
莉央は俺の言葉に見向きもせず、手を振り払った後翔を追いかけるように走り去って行った。
莉央はどうしてただのクラスメイトに
あそこまで真剣になるんだろう。