【完】愛し君へ、愛の口づけを


俺は本当にただの子供だから。

所詮、子供が大人ごっこをしていただけだ。



心のどこかで分かっていたこと。








わずかな沈黙の後、


「ねぇ、私といて楽しかった?」



里奈からの突然の言葉。

俺は頷くしかなかった。



頷く以外選択肢もなかった。




だって本当に里奈といた日々は幸せだったから。


俺は確かに大人ごっこをしていたかもしれない。

でも、俺が俺でいられた事は確か。



「ふふっ。そう」



里奈は俺に背中を向けた。


「・・・り、里奈」


「さようなら。もう私なんかとは一緒にいない方がいいわ」


「ま、待ってくれよ」


「なぁに」


「俺のこと・・・好きだった?」


「・・・」


里奈は何も答えない。

今までの思い出は全て嘘だった、そういうことなのだろうか。



セックスの時だけ、俺は彼女を満足させる事ができていたのか?
いや、もしかしたらそれでさえなかったのかもしれない。