「ねぇいいじゃん番号くらいさ~、ケチケチすんなって」



「ってか髪ちょーサラサラだねー♪」



「…っ」







朝。




いつものように欠伸をしながら登校すると、親友の小山内愛海(オサナイアイミ)がチャラ男2人に絡まれていた。





しかも一人は馴れ馴れしく髪まで触ってやがる。






くそっ…アイツらあたしのカワイイ愛海に!断じて許せん!!!







「きたねー手で触ってんじゃねぇよ!」






チャラ男の手をつかんで愛海から引き離すと、愛海が消え入りそうな声で「爽月ちゃん」と呟いた。


その大きな瞳は涙でウルウルしている。






こっコイツら…






「お前ら!あたしの愛海泣かしやがってタダで済むと思ってんのか!?あ゛!?」




「出たよ葛城」





はぁぁ~とあたしの顔を見て心底ゲンナリした顔をするチャラ男ども。






「お前は引っ込んでろよ、カンケーねぇだろオトコオンナ」



「あ゛!?んだともういっぺん言ってみろ!!!」





「こら何してるお前ら!もうHR始まるぞ!早く教室に行け!!」





その時現れた生徒指導の吉岡に、チャラ男二人は「くそっ覚えてろよオトコオンナ」と吐き捨て退散していった。






アイツらいつかボコす。