「ばぁーか」






突然、あたしの目の前に人が現れる。









「さっ咲」







にんまりと口角を上げた咲だった。









「なんて顔で川口の席見てんの」









―ペチッ








咲があたしのおでこに容赦なくでこピンをいれた。










「いてっ」








「心配なのはわかるけど、口がへの字になりすぎておもしろいよ」







「だっだって///」








あたしは思わず口を押えた。











「まぁ今日は川口、我慢することだね」









「ぇえ~...」










チャイムが鳴って、授業が始まり、放課後になっても川口君は現れなかった。










あたしの気分はガタ落ちになったのは、言うまでもない。