「あ''あ''あ''ぁぁあ‼」
礼太の手が触れた瞬間、奈帆子の身体が大きく仰け反り、呻き声が激しくなった。
「奈帆子さん?」
なおも手を握り続ける礼太を、希皿が引きずるようにして奈帆子から引き離した。
間髪入れず、奈帆子の目がカッと見開かれる。
(……奈帆子さん?)
ガタガタとぎこちない動きでベッドの上へ起き上がった奈帆子の瞳に、礼太の不安げな顔が映し出された。
その時、礼太は確かに見た。
奈帆子の瞳の底にある、怯えを。
正確には奈帆子の怯えではない。
奈帆子に取り憑き彼女を支配している妖の怯えだ。
そしてそれは礼太に向けられていた。
妖は、退魔師ですらないちっぽけな少年を、恐れていた。
……ぎゃぁああああああ……
奈帆子の身体が前のめりに倒れたかと思うと凄まじい、金属音にも似た悲鳴が礼太の身体を貫いた。
黒い風が、奈帆子の部屋に吹き荒れる。
気を失う直前礼太が見たのは、希皿が振るう刃の冷たい煌めきだった。
礼太の手が触れた瞬間、奈帆子の身体が大きく仰け反り、呻き声が激しくなった。
「奈帆子さん?」
なおも手を握り続ける礼太を、希皿が引きずるようにして奈帆子から引き離した。
間髪入れず、奈帆子の目がカッと見開かれる。
(……奈帆子さん?)
ガタガタとぎこちない動きでベッドの上へ起き上がった奈帆子の瞳に、礼太の不安げな顔が映し出された。
その時、礼太は確かに見た。
奈帆子の瞳の底にある、怯えを。
正確には奈帆子の怯えではない。
奈帆子に取り憑き彼女を支配している妖の怯えだ。
そしてそれは礼太に向けられていた。
妖は、退魔師ですらないちっぽけな少年を、恐れていた。
……ぎゃぁああああああ……
奈帆子の身体が前のめりに倒れたかと思うと凄まじい、金属音にも似た悲鳴が礼太の身体を貫いた。
黒い風が、奈帆子の部屋に吹き荒れる。
気を失う直前礼太が見たのは、希皿が振るう刃の冷たい煌めきだった。


