優しい爪先立ちのしかた


今話題の滝埜と星屋の姿。

梢は栄生の目の前に図鑑を差しだし、その視界を遮った。

「これ、買ってきます」

「あ、うん」

頷く栄生は少し反省をする。梢にそんなことをさせるなんて、本当に良くない。

レジへ向かう梢についていく。

会計を終えた梢に御礼を言ってから、それを受け取る。

自分が持つ、と言おうとしたが楽しそうにそれを胸に抱える姿を見て梢は何も言わなかった。

「梢は? 何か欲しいものはないの?」

「圧力鍋が欲しいです」

「うわ、健全な男とは思えないような欲しいもの。きみはおかーさんか」

「チキンカレーとか作れるんですかね?」

本屋から出てディスカウントショップへ入る。