「…ごめんね」
深山コロッケに比須賀の母親も学校に居た式鯉も集まった。
二人がその前で頭を下げて、終わり。
理由を聞いたが、どちらも口は割らず。比須賀の母親は泣き出してしまって、後は二学期に学校で、と式鯉が宥めた。
カナンの母親も父親も、口を開かなかった。
栄生と梢を商店街の入口まで送ったカナンが言う。
「それで、ありがとう」
先に言われてしまった。カナンの頬は未だ赤くなっている。
栄生はばつが悪そうに視線を地面に向けた。梢はそれを見て、栄生さん、と小さく声をかける。
「…カナンが言ったんじゃない。ここに居てって」
「うん…本当にごめん」
「今度そんなことしたら、グーだから」
下からカナンを見たから睨むように見えた。カナンは大きく頷いて、わかれる。



