Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~


ミシェルが、攫われた…。


一瞬、信じられなかったが、言葉がゆっくりと脳に染み渡る。

皆の表情を見れば、それが真実なのだと理解できた。

「ま、まさか…。
な、…なんで、そんなこと……」

うまく言葉が出てこない。


村が奇襲されたのか?
いったい誰に…?

ここにはダグラスもリジーもいるじゃねぇか。

何で、護れなかった?

他の村人は…?

いったい何でそんな状況になった?


いろいろな疑問が次々に浮かび、グルグルと脳内を回っているようだ。


「…ここから、グランドヒールに向かう途中で、馬車便が襲われたそうだ」

そう言ったのはスコットだった。

少し前にダレンから話を聞いていたのだろう。

「襲われたって、誰に?」

「分からない…。
ジルが、追っているんだ」

ジルが追ってるだと?

「ジルも一緒にいたのか?
馬車でグランドヒールって、どういうことだよ!
無事なんだろうな!」

次々と明かされる意外な状況にローグは焦り、次第に言葉が荒くなる。

今にもダレンに飛び掛かりそうな勢いだ。

自分の知らぬ間に事が進んでいたからなのか、自分が一緒にいられなかった悔しさなのか。

ローグはそれを怒りにしてぶち撒けた。