「なんだあれ?」

「あぁ。食事と薬を持ってきてくれたみてぇ」

傍らでロイとローグがそんな会話をしている。

「ところでロイ、お前は大丈夫なのかよ」

ローグはそう言ってロイの顔に貼られた絆創膏をツンツンと突ついた。

よく見ればロイの顔はもちろん、首元や手足の至る所に絆創膏やシップが貼られている。

痛々しい状態だ。

ロイはそのローグの手を苦笑しながら払うと、

「あぁ。身体はたいしたことはねぇよ」

「いや、そうしゃなくって…」

「心配ない。さっき一人になって少しは落ち着いたさ」

そう言うロイの表情は言葉とは裏腹に少し硬い。

一人になって落ち着いたことは確かだろうが、これから聞く話がどんなものか、それに対する怖さや戸惑いが入り混じっているような…。

しかしどこか覚悟は決めたような。

そんな表情だった。