ようやく何とか深呼吸ができるまで痛みが治まってくれた。
視界が霞む中で、前方に視線を向けると、ロイが女を介抱していた。
女の足からは血が流れ、苦しそうに悶えている。
立つことなどできない状態だろう。
足癖の悪いあの女が動けない今、ロイを討つには最大のチャンスだ。
ニックは荒くなる息を抑えながらゆっくりと立ち上がった。
ふと横に転がる湾曲刀が目に入り、それに手を伸ばす。
兄さんなんて…。
兄さんなんて。
兄さんが憎い。
妹の命を奪った兄さんが憎い。
憎くてしょうがない。
妹を…、カレンを返せ。
それができないなら、せめてカレンの元へ行って謝ってこい。
頭を下げてこい。
僕が…、その手伝いをしてやる。
ニックは湾曲刀を握る拳に力を込めて硬く目を閉じた。
そして意を決したかのようにカッと目を見開くとロイ目掛けて駆けた。
大きく刀を振り翳しながら。
自分の動きに気づいたロイが驚愕して大きく目を見開いたのが分かった。
もう少し、もう少しで兄さんを討ちとれる。
声にならない奇声を発しながら、ロイに襲いかかった。
視界が霞む中で、前方に視線を向けると、ロイが女を介抱していた。
女の足からは血が流れ、苦しそうに悶えている。
立つことなどできない状態だろう。
足癖の悪いあの女が動けない今、ロイを討つには最大のチャンスだ。
ニックは荒くなる息を抑えながらゆっくりと立ち上がった。
ふと横に転がる湾曲刀が目に入り、それに手を伸ばす。
兄さんなんて…。
兄さんなんて。
兄さんが憎い。
妹の命を奪った兄さんが憎い。
憎くてしょうがない。
妹を…、カレンを返せ。
それができないなら、せめてカレンの元へ行って謝ってこい。
頭を下げてこい。
僕が…、その手伝いをしてやる。
ニックは湾曲刀を握る拳に力を込めて硬く目を閉じた。
そして意を決したかのようにカッと目を見開くとロイ目掛けて駆けた。
大きく刀を振り翳しながら。
自分の動きに気づいたロイが驚愕して大きく目を見開いたのが分かった。
もう少し、もう少しで兄さんを討ちとれる。
声にならない奇声を発しながら、ロイに襲いかかった。

