Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~

ジルはもらわれっ子だった。

里親はジル以外にも親のいない子供を引き取っていた。


しかし、この里親はとんでもない親だった。

子供たちに家事や仕事をさせて、自分たちは一切働かなかった。

子供たちが稼いだ金で腹を満たし、その上満足な食事など子供たちにはさせていなかったのだ。

子供たちの寝床には、硬く冷たい板の間を与えられた。

酷く貧しく、惨めな生活だった。


腹を空かせた少女のジルは自力で食糧を調達するしかなかった。

しかしそれも兄弟に横取りされてしまうのだ。

力では敵わなかった。
抵抗虚しくあっさりの奪われてしまう。


少年たちはバッグを手にすると、その場に少女を残して去っていった。

ジルは悔しくて堪らなかった。

こぼれ落ちそうになる涙を堪え、もう一度木に登った。


そこで場面が暗くなった。