穏やかな日差しが降り注ぐ森の中、そこに緩やかな小川が流れている。
見覚えのある風景だ。
小石が並ぶ河原を小走りにやってきた少女がバシャバシャと音を立てて水の中に入る。
少女は衣服が濡れるのも気にせず、膝下まで小川に浸かり、何やら格闘している。
どうやら素手で魚を捕まえようとしているらしい。
なんだろうか…。
ジルはふと思ったがすぐに気がついた。
これは自分だ。
幼い頃の自分。
するとこれは夢だろうか。
次に少女は木に登っていた。
何度も滑り落ちそうになるのを必死で堪え、手に届く木の実や果物を一つずつ肩から提げたバッグに詰めていく。
一通り採り終えて帰ろうとする少女の前に、二人の少年が立ちはだかった。
少女より少し年上に見える。
少年たちは少女から食糧の入ったバックを奪おうとしている。
必死で抵抗する少女。
ジルはこの少年たちにも見覚えがあった。
幼い頃、同じ家で育った血の繋がらない兄弟たち…。

