会場内に戻り、サイネリアを探しました。
「人が多すぎて見つけられない」
マルメロがキョロキョロとしていると、サイネリアの声がしました。
「マルメロ!こっちよ!」
マルメロは声がした方に振り向きました。
満面の笑みを浮かべているサイネリアと、いかにも高貴な雰囲気を漂わす年配の男性がいました。
「サイネリアって、抜け目がないわね」
マルメロは思いながらも、サイネリアの元に歩きだしました。
「マルメロ、探したのよ?何処にいたのよ?」
「ごめをなさいね。テラスがあまりにも美しかったから長居しちゃったのよ。ところで、そちらの男性は?」
「ああ、王よ」
「!!」
サイネリアは、またサラリと驚く発言をしました。
こんな簡単に王と接触が持てると思っていなかったからです。
驚き固まっているマルメロにサイネリアは小声て言いました。
「マルメロ助かったわ。王に見つかっちゃって逃げるタイミングを逃していたのよ」
サイネリアは悪戯な笑いを見せます。
マルメロは、そんなサイネリアに呆れました。
「私は画家。サイネリアは王。何なのよ、運は私の味方じゃないの」
マルメロは、とにかく王に挨拶をしました。
「お初にお目にかかります。サイネリアの親友のマルメロと申します。以後、お見知りおきを」
美しく可憐に挨拶をするマルメロに王はニヤつきながら言いました。
「なかなか良い女だな。サイネリアよ、我はマルメロを気に入ったぞ」
マルメロは心が弾みました。
王は続けます。
「マルメロよ、そんな固くなるな。我は気軽な女が好きなのだ。ほら、力を抜き笑ってみせろ」
マルメロは、緊張しながらも片方の口角だけを上げる笑顔をみせます。
「良い笑顔だ。自分に自信があると見受けられる。サイネリアとは、また違う魅力だな」
王はマルメロに興味を持ちました。
マルメロは嬉しくなりながら答えます。
「そんな言葉を頂けるとは光栄ですわ。幸せで胸が張り裂けそうです」
「はは、マルメロは面白い女だ。気に入ったぞ。我の女にしたいくらいだ」
マルメロは目が輝きました。
「やっぱり運は私の味方!」
しかし、サイネリアが言います。
「王様、マルメロは結婚をしていますわ。もてあそぶのは、お止めになって下さい」
マルメロは、この時ほどサイネリアに殺意を覚えたことはありませんでした。
今まさに、マルメロの夢への道が開かれようとしているのに、サイネリアが邪魔をしたからです。
サイネリアはマルメロを想って言っているのですが、マルメロにとっては大きなお世話です。
しかし、王はサイネリアの言葉など気にもせず笑いながら言います。
「何も、そんな大袈裟なことではない。サイネリアも、我の女になれば良い!」
これには、マルメロもサイネリアも驚きました。
女好きとは聞いていましたが、見境がなさすぎです。
さすがのマルメロも嫌な気持ちになります。
サイネリアは完璧に怒っています。
しばらくすると、使いの者が王の元によってきて用事を伝えています。
その間、マルメロとサイネリアは黙ったまま。
王は、大きなため息をつき言いました。
「せっかくの楽しい会話だったのだが、得意先の連中が来たようだ。全く面倒だよ。ではな、楽しんでくれ」
王はそれだけ言うと去っていきました。
残されたマルメロとサイネリアは唖然としています。
「人が多すぎて見つけられない」
マルメロがキョロキョロとしていると、サイネリアの声がしました。
「マルメロ!こっちよ!」
マルメロは声がした方に振り向きました。
満面の笑みを浮かべているサイネリアと、いかにも高貴な雰囲気を漂わす年配の男性がいました。
「サイネリアって、抜け目がないわね」
マルメロは思いながらも、サイネリアの元に歩きだしました。
「マルメロ、探したのよ?何処にいたのよ?」
「ごめをなさいね。テラスがあまりにも美しかったから長居しちゃったのよ。ところで、そちらの男性は?」
「ああ、王よ」
「!!」
サイネリアは、またサラリと驚く発言をしました。
こんな簡単に王と接触が持てると思っていなかったからです。
驚き固まっているマルメロにサイネリアは小声て言いました。
「マルメロ助かったわ。王に見つかっちゃって逃げるタイミングを逃していたのよ」
サイネリアは悪戯な笑いを見せます。
マルメロは、そんなサイネリアに呆れました。
「私は画家。サイネリアは王。何なのよ、運は私の味方じゃないの」
マルメロは、とにかく王に挨拶をしました。
「お初にお目にかかります。サイネリアの親友のマルメロと申します。以後、お見知りおきを」
美しく可憐に挨拶をするマルメロに王はニヤつきながら言いました。
「なかなか良い女だな。サイネリアよ、我はマルメロを気に入ったぞ」
マルメロは心が弾みました。
王は続けます。
「マルメロよ、そんな固くなるな。我は気軽な女が好きなのだ。ほら、力を抜き笑ってみせろ」
マルメロは、緊張しながらも片方の口角だけを上げる笑顔をみせます。
「良い笑顔だ。自分に自信があると見受けられる。サイネリアとは、また違う魅力だな」
王はマルメロに興味を持ちました。
マルメロは嬉しくなりながら答えます。
「そんな言葉を頂けるとは光栄ですわ。幸せで胸が張り裂けそうです」
「はは、マルメロは面白い女だ。気に入ったぞ。我の女にしたいくらいだ」
マルメロは目が輝きました。
「やっぱり運は私の味方!」
しかし、サイネリアが言います。
「王様、マルメロは結婚をしていますわ。もてあそぶのは、お止めになって下さい」
マルメロは、この時ほどサイネリアに殺意を覚えたことはありませんでした。
今まさに、マルメロの夢への道が開かれようとしているのに、サイネリアが邪魔をしたからです。
サイネリアはマルメロを想って言っているのですが、マルメロにとっては大きなお世話です。
しかし、王はサイネリアの言葉など気にもせず笑いながら言います。
「何も、そんな大袈裟なことではない。サイネリアも、我の女になれば良い!」
これには、マルメロもサイネリアも驚きました。
女好きとは聞いていましたが、見境がなさすぎです。
さすがのマルメロも嫌な気持ちになります。
サイネリアは完璧に怒っています。
しばらくすると、使いの者が王の元によってきて用事を伝えています。
その間、マルメロとサイネリアは黙ったまま。
王は、大きなため息をつき言いました。
「せっかくの楽しい会話だったのだが、得意先の連中が来たようだ。全く面倒だよ。ではな、楽しんでくれ」
王はそれだけ言うと去っていきました。
残されたマルメロとサイネリアは唖然としています。



