マートルは買ったばかりのワンピースを着てみます。

年相応の可愛らしい女の子が鏡に映ります。

「女優さんみたいだわ!」

マートルはふざけて笑います。

すぐにマルメロにも洋服を着させてあげました。

「かわいい!マシュマロみたい!」

真っ白なレースとフリルが、真ん丸の顔のマルメロを包みマシュマロのように柔らかく見えるのです。

マートルは嬉しくなります。

「この子は可愛くなる!」

自信満々に言いました。
二人は幸せな時間を過ごします。

「ジキタリスが居ないだけで、こんなに幸せだとは思わなかった」

マートルは、自分の気持ちに驚きます。
必死にジキタリスにしがみついていた頃に戻って、自分に説教をしたいくらいです。

「でも、ジキタリスと出会ったおかげでマルメロと出会えたんだから仕方ないわよね」

マートルは今の生活に大満足していました。
誰にも邪魔をされず、自分はちゃんと仕事をして生活をしている。
最高の日々です。


しかし、そんな幸せな時間は長くは続きませんでした。

ジキタリスが戻ってきたのです。

しかも、激怒して…。

「マートル!どういう事だ!?」

ジキタリスはマートルの胸倉を掴み怒鳴ります。

マートルは息が出来なくて、声もでません。

「お前!何を勝手な事をしてるんだ!!」

ジキタリスはマートルを突き飛ばします。

マートルは床に倒れ込んでしまいます。

マートルには意味が分かりません。
勝手をしているのはジキタリスだからです。

しかし、ジキタリスは怒鳴り続きます。

「お前のせいで俺の人生は終わったんだ!!」

ジキタリスは、マートルの髪を掴みます。

「痛い!」

マートルは叫びます。