葬儀が終わる頃には、雨が上がっていました。

マルメロは日記帳を抱きしめ、すぐに馬車に乗り込みます。

「プチ・ガーデンに急いで」

マルメロは雨に濡れた体のまま、プチ・ガーデンに向かいます。

馬車に乗りながらマルメロは思いました。

「この日記を読めば、何かが変わるような気がする」

曇った空の隙間から、太陽の光りがもれています。

雨に濡れた緑が、太陽の光りに照らされキラキラと輝き、マルメロの心を癒してくれます。

濡れた服の冷たさよりも、太陽の暖かさがマルメロには必要でした。

「心のざわめきが落ち着くわ」

眩しい太陽を眺め、マルメロは日記帳を強く抱きしめました。

「お母様をプチ・ガーデンに御招待するわ」