『おい、聞いてんのか!?』 「あ、うん。」 『はー、部屋に行ったら茱良はいない。組そうでで家中探してもいない。 俺らは茱良が何者かに攫われたのかと思ったんだからな!』 「ご、ごめんなさい。」 棗兄の説教に私はただただ謝ることしかできなかった。 『いいか、これからは絶対に黙って家から出るな。 分かったな。』 「了解しました。」 『よし、じゃあ、また帰りにな。』 「うん。」 携帯からは"プー、プー"と電話を終える音が聞こえた。