---バーンッ
「早瀬せんぱーい!!」
早瀬くんが話している途中に突然ドアが開いてそんな声がした。
びっくりしてそちらの方に顔を向けると、そこには春奈ちゃんがいた。
「新美!」「は、春奈ちゃん!」
私と早瀬くんの声が重なった。
「向こうの校舎の窓から先輩が見えまして!なにしてるんですか?」
笑顔でそう話す春奈ちゃんは少し息が切れていた。
「先生に頼まれて片づけをしてたんだ」
「へえ、大変ですね。私も手伝いますよ!」
そう言うと同時に持っていたカバンを壁に立てかけた。
「2人でやるから大丈夫だぞ?」
「いえいえ!手伝いますって!」
半ば無理矢理に春奈ちゃんは片づけを手伝ってくれた。
…ありがたいんだけどね。
早瀬くんと2人きりじゃなくなったことがちょっと悲しかった。


