それから私たちはカフェでゆっくりと話をした。


そして1時間ほど話して、


「じゃ、そろそろ帰ろうか」


という感じになった。


私は正直まだ帰りたくなかったんだけど…。


あんまり欲張るのはよくないよね。


「そうしましょうか」


帰ることにした。


「美衣ちゃん家どっち?」


会計を済ませ、カフェを出た時に早瀬くんに聞かれた。


「私はこっちです」


家の方を指さす。


「マジで?俺の家もそっちなんだけど」


「…え、そうなんですか?」


早瀬くんの家でクラスの子たちとお別れ会をした時に初めて彼の家を知ったから、今の私が家の方向を知っているのはまずい。咄嗟の判断で初めて知ったような反応を返す。


すると早瀬くんがありがたい提案をしてくれた。


「途中まで一緒に帰ろう」


「はいっ」


即答だった。