それは私が本屋にいた時だった。


「なんか本読みたいなぁ~」


私は結構読書が好きで月に5,6冊くらい読んでいる。


好きなのは主にミステリーだからミステリー小説のコーナーに行った。


「あ、新刊出てる!」


好きな作家の新作を見つけたから手に取って見てみようと、本に手を伸ばしたとき…。


「あ、すみませんっ」「ごめんなさいっ」


誰かと手がぶつかった。


……って、ウソ!!!


「…あ、美衣ちゃん!」


私のことを美衣ちゃんと呼ぶのはあの人しかいない。


そう、私と手がぶつかったのは早瀬くんだった。


早瀬くんだということを知った途端に顔が赤くなる。


「こ、こんにちは」


あ、噛んだけど挨拶できた!