放課後、早瀬くんの転校のことを聞きつけた人たちが早瀬くんを囲んだ。


「おい、なんだよ急に…」


笑ってみんなをなだめている早瀬くん。


でもみんなは突然の知らせに焦っていた。


「お前突然転校するとか言われても、わけわかんねぇんだけど!」


「しょうがねえだろ~。父親がアメリカに転勤することになっちまったんだから」


早瀬くんはまったくみんなに悲しい顔は見せなかった。


だけど。


「…そんなさ、悲しい顔ばっかすんなよな。まだ1ヵ月あるし、最後まで笑って過ごさせてくれよ」


やっぱりみんなとお別れするのは悲しいんだ。


それでも最後までみんなと笑って過ごしたいから、今早瀬くんはいつも通りに笑ってるんだと、私は遠くから見て思った。