『あ、えっと…私そのケータイの持ち主なんですけど…』


『このケータイの持ち主さん?よかった~』


電話の向こう側の男の子の声は優しかった。


『拾ってくれてありがとうございます。すみませんが、今どこにいますか?』


『理科室だよ』


やっぱり理科室だったんだ…。


『今すぐにそちらへ向かうんで、待っててもらえますか?』


『うん』


私は走って理科室へ向かった。